CREATE COMMUNITIES

つながるひろがるACTION

2022年11月にローンチした
JR中央線コミュニティデザインのオリジナルアプリ「中央線と暮らす」。
駅や街中という「場」を介したコミュニケーションを広げる一方で、
あえてスマートフォンアプリを開発した意味とは?
背景には、地域の方々とのより一層深い関係づくりを目指す
深い思いがありました。

コアな中央線ファンを増やしたい!

JR中央線コミュニティデザインでは、駅業務やショッピングセンターの運営に加え、地域活性化事業や教育事業などさまざまな取り組みを通じてお客さまとの接点を拡大しています。着々とタッチポイントは増えているものの、課題となっていたのはイベントなどで生まれたお客さまとの接点を継続させるアプローチ手段がなかったこと。そこで自社アプリを開発し、こまめな情報発信やイベント連携を行ってつながりを持続させ、中央線の“コアファン”ともいえるお客さまを増やしていく計画が始まりました。

各事業のハブ機能を備えてスタート

アプリの企画は完全自前。社員自らがユーザー視点に立ち、必要なコンテンツを徐々に増やしていきました。立ち上げ時に用意したのは、各ショップへのリンクやイベント情報のプッシュ通知。ただ誘導するだけでなく、よく使うショップを登録するとクーポン情報などが届くうれしい機能も設けました。既存のSNSやウェブサイト「中央線が好きだ」、そして駅に掲示したポスターなどを使って告知し、まずはスモールスタートでダウンロード数を増やしていきました。

スタンプラリーなどイベント連動で盛り上がる!

アプリの浸透に大きな効果を発揮したのは、なんと言ってもイベント連動。アプリローンチ直後に開催された「中央線パンまつり」では、ダウンロードするともらえるクーポンを用意したほか、イベント当日以外にも楽しめるアプリ連動スタンプラリーも開催。イベントのアフターフォローにつながるアプリ企画は「中央線コーヒーフェスティバル」でも実施し、お客さまからも好評でした。その他にも、東京・むさしのエリアで10年以上続く「森の地図スタンプラリー」との連動や、スタンプラリーに謎解きを掛け合わせた企画なども開催しています。

ユーザーにとっても社員にとっても日常の一部へ

「中央線と暮らす」では、アプリ限定の読み物コンテンツも充実しています。一つは、中央線沿線の散策スポットを、生活者視点でのんびり綴る「ひひひのぶらり中央線散歩」。もう一つは、カレーや古本など一つのテーマに絞って沿線のお店やイベントを紹介する「中央線と暮らす○○(まるまる)」。実は一つ目の「ひひひ」には、JR中央線コミュニティデザイン内でもあまり知られていないある秘密が……?

社員が地域に目を向けるきっかけにも

ちょっとしたネタバレになりますが、連載コンテンツの「ひひひのぶらり中央線散歩」を執筆しているのは、なんと西八王子駅の社員! 駅業務に携わるなかで「自分たちが地元にしっかり目を向けることが大切だ」と感じた社員が、自らの足で街を散策し、写真を撮り、体験に基づいて記事を書いています。アプリ運営に携わることで、社員自身が地域に目を向けるきっかけが生まれ、自分の特技を生かす機会にもなっている。自社アプリならではのこうした広がりは、今後もますます増えていくかもしれません。

日常に溶け込むアプリになるために

そもそも連載コンテンツを設けているのは、これもやはり継続的なアプローチをしてくため。このほかにも、毎日引くことができる「一日一回運試しくじ」というコンテンツもあります。おみくじ結果に応じてスタンプが溜まり、プレゼントがゲットできるというシンプルな仕組みですが、これはまさに「お客さまの生活の一部に溶け込みたい」という願いが象徴されたコンテンツ。日常にささやかな喜びをもたらすことで、気づけば生活の一部になっている。そんな暮らしに寄り添うアプリになることが、「中央線と暮らす」の目標です。

便利な決済機能を増やし、
1 to 1のサービス展開も目指して

コアファンの創出を目指して立ち上がった「中央線と暮らす」アプリ。現在はアプリ内にECサイトも立ち上がっており、各種フェスのチケット販売を行うほか、「ひとはこやカフェ」の月額料金をアプリ経由で支払ったり、「もののわ」の商品を購入する仕組みも備えています。今後はこうした決済機能をさらに進化させ、地域の事業者が広告出稿ができる仕組みも整えていければと計画中です。そして将来的にはお客さま一人ひとりに合わせた情報配信とコミュニケーションの手段として発展させることで、お客さまの行動や興味関心にあわせ最適化された情報提供を行うなど、1 to 1のサービス展開にもつなげていきたい狙いがあります。

自社で運営する難しさはありながらも、自由度の高さは独自アプリだからこそ。JR中央線コミュニティデザインや地域の方々がやりたいことを実現する一つの場として、「中央線と暮らす」はこれからも進化していきます。

COMMENT 担当者より

垣根を取り払い、やりたいことを実現させていく!

「以前までは“線路の上のことしか知らない”社員でしたが、今は自ら街に出て地域を知るようになりました。他の社員の方々にも、社内の垣根を取っ払ってアプリに参加してほしいです」(写真左/坂口)

「アプリができて、自由に使える“武器”が手に入ったような嬉しさがあります。自社アプリの良さを活かし、これからやりたいことをどんどん実現させていきます!」(写真中/村松)

「アプリでしかできないことは何か、アプリである理由は何かを突き詰めながら、替えのきかないアプリを作っていきたいです」(写真右/袴田)

地域活性化部 坂口、村松、袴田、加藤

地域活性化部 坂口、村松、袴田、加藤

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