FEATURE PROJECT

ものづくりのわ

地域で暮らす障がいのあるクリエイターを支援しようと、2020年9月に国立駅で始まった「ものづくりのわ」。
ハンドメイドの小物販売とワークショップを通じ、ものづくりに興味のある地域住民とクリエイター、そして駅社員が交流する新たなコミュニケーションの場が生まれました。
予想以上の反響を受け、継続販売や催事開催も視野に入れた計画も始まり、“地域生活圏に寄り添う事業”としての成長を目指しています。

クリエイターと地域住民、
さらに駅社員がつながる
「ものづくりのわ」

「ものづくりのわ」では、障がいのあるクリエイターが製作した雑貨を扱うセレクトショップ「SOU」の代表・友田由香さんを企画に迎え、そのネットワークから複数の福祉施設に参加いただいています。陶器の電車模型やつり革のキーホルダーなど、駅でのイベント用に製作されたアイテムが人気を集め、ものづくりを体験できるワークショップには親子連れなどが参加。住民の理解と興味、そしてクリエイターの熱意がマッチした、まさに“この駅ならでは”のイベントです。

ものづくり×障がい者支援が、国立の地域特性にマッチ

中央線沿線の障がい者支援施設でつくられている雑貨は、質の高い一点ものであるにもかかわらず、お客さまとの接点が少なく知ってもらうチャンスがないという課題がありました。開催地に国立駅を選んだのは、過去に多摩エリアの作家が集まる「アートビュッフェ」を開催した経緯や、周辺に障がい者関連施設が多いことから、イベント主旨や販売する商品への理解があると考えたから。その狙い通り、年配の女性を中心に予想以上のお客さまがご来場されました。「価値を理解して購入を即決される方が多く、販売の人手が足りなくなるほど。ありがたかったです」(友田さん)

ものづくりを介して
「交流」を楽しむワークショップ

思いがけず慌ただしくなった物販の一方、オリジナルマスクづくりや千羽鶴再生紙を使った封筒づくりのワークショップは、クリエイターと参加者がゆっくり交流できる場として好評です。ものづくり体験自体はもちろん、サポートにあたっていた制服姿の駅社員の姿も子どもたちの人気の的に!普段は話す機会のない駅社員と住民の方々がコミュニケーションできる機会にもなり、障がいのあるクリエイターと地域住民との接点を作るだけにとどまらない、より大きな交流の輪が誕生しています。

商品とその裏のストーリーを、
駅社員が伝える 「もののわ」

「ものづくりのわ」の開催後、お客さまからは継続販売を望む声が寄せられました。しかし物販のために常駐できる人員を確保するのは、障がい者施設にとって大きな負担に。そうした中で新たに生まれたのが、駅社員が販売する「もののわ」の企画です。イベント以外で商品を販売できる機会をつくり、その販売業務を駅社員が行うことで、今後の継続販売に向けたニーズを把握するという目的もあります。

駅の改札がお店になる!?

販売場所となるのは、駅の改札。改札内に設置されたショーケースに商品を展示し、お客さまからの要望を受けて駅社員が販売します(お支払いはSuica・クレジットカードのみ)。
この取り組みの背景には、「ものづくりのわ」の反響のほかにも、「駅としての新たな役割」や「お客さまに駅へお越し頂くきっかけ」をつくっていこうという当社全体としてのミッションがあります。「もののわ」という名前は、いつも使う駅の改札でここにしかない「もの」と出逢い、その出逢いの「わ」が沿線に広がってほしいという想いから、国立駅の社員が名付けました。

直接会話をしたからこそ、伝えられることがある

「もののわ」の取り組みに際して大きなポイントとなっているのは、企画のSOU友田さんと駅社員たちとの綿密なコミュニケーションです。「ものづくりのわ」の企画時から対話を重ね、ものの背景にあるストーリーや想いを友田さんから丁寧に伝えていただきました。おかげで駅社員もそのストーリーをお客さまに伝えることができ、ただ物を販売するだけではない“価値”の共有につながっています。与えられた業務をこなすのではなく、自ら“輪”に参加しているという社員の意識も高まり、改めて人と人とのコミュニケーションの力を実感する機会になりました。

広がり始めた「輪」を、
持続可能な収益に
つなげるために

「ものづくりのわ」「もののわ」に続く今後の展開として、駅での催事へと拡大したり専用の販売カウンターを設置したりと、収益化に向けたさまざまなアイデアや目標が持ち上がっています。また、高架下の空き区画などを有効活用してものづくりが行える作業スペースを設ければ、シェアオフィスや学生寮など既存の事業と連動した新たな動きも生まれるでしょう。

また、「ものづくりのわ」では、来場された画廊オーナーのお客さまから「うちのギャラリーで展示をしてみないか」というご提案をいただく一幕もありました。ものづくりやアートに興味のある方々が多いのは、中央線沿線エリアのひとつの特徴。駅での取り組みをきっかけに、駅の外にもこうした“輪”を広げ、地域に寄り添う事業としての成長を目指していきたいと思います。

【このプロジェクトの中心メンバー】

NPO法人 SOU 友田 由香様とnonowa国立(国立駅)メンバー

NPO法人 SOU
友田 由香様

「国立駅のみなさんが本当に協力的! おかげで大きな苦労やストレスもありません。駅でのイベントが初めての作業所の皆さまも楽しんで参加されています」

株式会社JR中央線コミュニティデザイン
nonowa国立(国立駅)メンバー

「障がいのある方とお客さま、そして駅社員が、もっと身近に交流できないかとずっと考えていました。今回の取り組みをきっかけに、さらに積極的に次の展開を考えていきたいです」

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