「こくベジ」とは、国分寺市内の農家が生産した農畜産物の愛称です。
その魅力を広げるために立ち上がった「こくベジプロジェクト」に、
セレオ国分寺も2017年より参加しています。
館内の飲食店でこくベジを使用したメニューを提供するほか、
販売会やイベント、ワークショップなどを積極的に開催。
地域で愛される作物をきっかけに、新たなコミュニティの輪を広げています。
国分寺市は東京都の中でも3番目に農地面積率が高く、新田開発が始まった江戸時代より市内全域で農業がさかんに行われてきました。しかし近年は、宅地化による農地の減少や後継者不足が大きな課題に。そこで、JA東京むさし国分寺地区、商工会、観光協会、農家、飲食店、企業、NPO、国分寺市、有志と多岐にわたる人々が関わりながら、農業課題の解決と地域の新たな観光資源発掘を目的として「こくベジプロジェクト」がスタートしました。
セレオ国分寺が同プロジェクトに参加することになったのは、こくベジを知ったある社員が「自分たちも何か力になれるかもしれない」と思ったことがきっかけです。
セレオ国分寺がまず取り組んだのは、館内の飲食店9店舗でこくベジを使ったメニューを提供することです。野菜の仕入れやメニュー開発は店舗ごとで行っていますが、畑見学を通じて店舗と生産者のコネクションをつくったり、メニューに載せるロゴマークを提供したりと、セレオ国分寺がサポート役として活動しています。こくベジメニュー提供ショップの中には全国展開のチェーン店も含まれますが、国分寺でしか味わえない限定メニューとあってお客さまからの反応も上々だとか。
駅ビルという立地を活かし、2~3ヶ月ごとに「こくベジ販売会」も開催しています。お客さまは、「こくベジ直売所マップ」を手に訪れるファンや、食育に関心の高い子育て層、地域社会貢献に興味のある学生などさまざま。多様な人々が行き交う立地の良さもさることながら、“セレオ国分寺”という安心感や信頼も野菜を手に取りやすい要因となっています。
ここ数年でセレオ国分寺が力を入れているのは、生産者の農地見学をはじめとする体験型イベントの開催です。「こくベジを広めたい」「愛される野菜になって欲しい」「地域貢献がしたい」という思いを持った人たちのアイデアがつながり、SDGs貢献や産学連携などの側面も持つ多彩なイベントが続々企画されています。
募集するとすぐに定員が埋まってしまうという「子ども向け販売体験」は、子どもたちが野菜についての学習から値札づくり、実際の販売までを体験できるイベントです。最初は緊張気味だった子どもたちも、いざ呼び込みをはじめてお客さまが足を止めると一気に楽しそうな表情に。食育はもちろん職業体験としても充実しており、農業や販売といった仕事に子どもが興味を持つきっかけづくりとしても注目です。
2022年11月には、東京経済大学SDGs学生委員会とのコラボレーションイベントも実施。館内で「こくベジ」を扱うショップをまわるスポットラリーや、販売できない規格外の野菜を使った塗り絵ワークショップを企画し、家族連れを中心に盛り上がりを見せました。このコラボイベントは、セレオ国分寺のサステナブル活動に興味を持った大学生が自主的に提案してくれたもの。若い世代のアイデアや思いを積極的に受け入れているのも、こくベジプロジェクトの特徴の一つです。
セレオ国分寺でこくベジプロジェクトを担当する社員は、「こくベジは、おもしろいことが生まれる予感に満ちています。関係する地域の方々の思いを聞きながら、次の企画へつなげていきたい」と話します。
プロジェクトの第一の目的は、こくベジを広く愛されるブランドへと育てていくこと。しかしその過程の中では、出会うことのなかった人たちや、今まで知らなかった世界との出会いに満ちています。野菜を育むことが、地域のつながりを育み、次のわくわくの種になる。どんどん成長する“こくベジのつながり”を、セレオ国分寺は引き続き推進していきます。
COMMENT 担当者より
こくベジを通じて、地域の方々との協力体制が作れました
「セレオ国分寺 こどもマルシェ」や「父の日にがおえパン教室」など、現在もさまざまなイベントでこくベジを利用しています。地域の方々との関係性も深まり、困ったことがあった際には地域の方に相談したり、事業者を紹介してもらえたりと協力体制が構築できました。今後もこの連携を活かし、「国分寺ならでは」のイベントや催事を進めていきたいと思います。(写真左/荻野)
セレオ国分寺 荻野、矢野