

どんなプロジェクト?
JR八王子駅から直結するセレオ八王子は、CCDが運営するショッピングセンターの中でも最大規模の商業施設です。開業から12年の歳月が経ち、2024年にリニューアルを実施。B1セレオ市場と3・4・6階が対象フロアとなり、約20ショップ近くがリニューアルオープンをする大規模なプロジェクトになりました。

プロジェクトの流れ
開業から12年が経ち、時代に合わせた刷新を
八王子駅に「セレオ八王子」が開業したのは2010年のこと。当初は今の南館にあたる建物のみの開業でしたが、その2年後、北口にあった百貨店「そごう八王子」の撤退に伴い2012年に北館がオープン。
開業当初のコンセプトは、「親子3世代で楽しめるショッピングセンター」。お客さまの中には、百貨店の機能を求める方もいれば、もっと気軽で日常的なご利用を求める方もいらっしゃいます。そうした声に応えながら、新しいショッピングセンターの在り方を模索してきたセレオ八王子ですが、若い世代になかなかアプローチできていないという課題がありました。リニューアルすることで館内に新たな風を吹き込もう、そんな狙いからプロジェクトがスタートしました。

業態開発本部と
セレオ八王子が連携した、
足かけ3年の挑戦
今回のプロジェクトを担ったのは、CCDの業態開発本部とセレオ八王子の社員たち。業態開発本部はタウンプロモーション部の3名が、セレオ八王子からは4名がそれぞれ中心となって参加しました。
大きな役割としては、まず業態開発本部が全体のリニューアルコンセプトや計画を立案し、それに基づいて出店社と契約を締結、さらに建物のハード面での設計・施工も管理します。そして各ショップの区画ができあがったら、セレオ八王子がショップと一緒にオープンに向けた具体的な準備を進め、同時にお客さまへの告知や販促等を行います。
リニューアルが公に発表されたのは2024年1月。その後、6・10・11月とタイミングを分けて随時フロアをオープンさせていきました。しかし計画自体は2021年から始まっているため、足かけ3年の長期プロジェクトです。


建物改装から販促まで、
大勢のショップや業者と協業
一言でリニューアルといっても、約20ショップが関係する大掛かりなプロジェクト。各ショップとの交渉や協力はもちろん、設計施工を担う工事会社の方々とも密なコミュニケーションが求められます。そこには、お客さまの視点からは見えない苦労がたくさんありました。
「改装のハード面を担当する立場として苦労したのは、コストとスケジュールの調整です。昨今の資材価格高騰や人手不足の影響で、建築コストは数年前の倍近くとなることもあります。費用負担の交渉を出店社と行いますが、時間がかかると全体スケジュールに影響する為、オープンが遅れないよう速やかに合意する必要があります。協議の中でお互いの意見をすり合わせることで、上手く進めることができたと思います」
「出店社にとっても、リニューアルは大きな集客チャンス。こんな告知をしたい、ノベルティを配りたいなどのご要望を頂くのですが、館のルール上、すべてにOKを出せるとは限りません。ショップの数だけご要望もあるので、そこの調整や交渉は苦労することもありましたね」


苦労を重ねたからこそ得られた、
意識の変化
改装工事はお客さまのいない夜間の時間帯に実施するため、大きな制約などもあり、調整に苦労することもあったとか。ただ、そうした苦労があった分、それぞれが得たやり甲斐も大きなものになりました。
「各ショップさんと交渉や協業を重ねる中で、“できない”で終わらせず、“どうすれば実現できるか?”を考える癖がつきました。やっぱり一緒に盛り上げていきたいですからね。社外の人だけでなく、社内のメンバーや上司と話すときの意識も変わったように思います」
「ショップの皆さんは、まさにリニューアルの苦労を共にした仲間のようなもの。特に、ショップの中でも規模の大きいショップの店長さんとは、本当に苦楽を共にしました(笑)。でもすごく嬉しかったのが、リニューアル初日の売り上げが非常に良かったんです。自分事のように『やった!』という気持ちになりましたね」
「私は4月からこのリニューアル計画にかかわるようになったばかりでしたが、ショップさん向けに館の規則や設備の使い方をお伝えする研修を担当させていただいて、そのおかげか“面割れ”するようになったと言いますか……館内を歩いてると、ショップさんから頻繁に声をかけていただくようになりました。セレオ八王子の一員になったんだなあと実感しました」


狙い通り、館内を回遊する
若者や親子の姿が激増
八王子駅を利用する人にとって、生活の一部にもなっているセレオ八王子。リニューアル告知後は、どんなお店が入るのか、いつリニューアルするかといったお問合せも多く頂きました。特に4階に新たに登場した大型衣料品ブランド店は街の人からの期待も大きく、ポスターを館内に掲示した瞬間にお客さまからの反応もありました。
「八王子は大学もあり若い世代が多い地域のため、その世代に向けたショップを中層階の4階にオープンさせることでその世代を呼び込み、かつ上下階への回遊も促そうという狙いです。実際に館内には若いお客さまや親子連れのお客さまが増え、リニューアル計画がうまく機能したと思います」
新しい風が、
社員の働く姿勢にも変化をもたらした!
そしてリニューアルによって吹き込まれたフレッシュな風は、CCD社員の仕事ぶりにも変化をもたらしています。
「ショップスタッフさんも若い方々が増え、その元気につられてこちらまで頑張ろうという気持ちになりましたね。今回、この規模のリニューアルを初めて経験した若手社員も多くいました。通常業務にこうした新しい挑戦が加わるのは、とてもよい経験になったと思います」
「私も今回、先輩・後輩と一緒にプロジェクトに参加しましたが、後輩指導という面からも収穫の大きいプロジェクトになったと思います。私が新人の頃にお世話になった現場監督の方と再開し、一緒に仕事をすることもできました。少しは自分が成長した姿を見せられたのかなと、私個人的としても成長を実感することができました」
「組織的な話になりますが、これまではソフトとハードの担当は部署が分かれていました。それが今回から同じ部署として進めることになり、コストやスケジュール調整といった部分での連携が今まで以上にスムーズになりました。また、新体制になったことで、どういう風にすれば仕事が上手くいくかを一人ひとりが新たに模索しながら進めることができ、そうした積極性や意識の変化も収穫だったと思います」


暮らしが変われば、
セレオも変わる。
見えない答えを追い求めて——
コロナ禍以降、ライフスタイルや働き方の変化に伴い、人々の消費行動にも大きな変化が見られています。都心に買い物に行っていた人たちが地元に目を向けるようになり、お客さまの中にも「このお店がセレオにもあったんだ」「こんなものも買えるんだね」とセレオの良さを再発見してくださる人が増えていると言います。
変化する暮らしの中で、地域に愛されるショッピングセンターであるにはどうすればいいのか。「答えはまだ見えない」と口々に語るメンバーですが、きっと今回の経験を活かし、新しいショッピングセンターをつくっていくはず。これを読んで興味を持ったあなたも、ぜひ次のプロジェクトで活躍してみませんか?